サクサクという足音に再び目を開ける。



あいつらか……?くそっ!もう見つかったか!?


すぐに体を起こして身構える。





しかしその心配は杞憂に終わり、
そこからひょいと現れたのは、白い衣に全身を包んだ老人。




………………。


えっと……。


どう反応したものか、目の前にいるのは
仙人ともいえる風貌をした人物であった。


白い髪は足先までのびていて、
眉毛は目を隠すほど、ひげは口を隠すほどまでに伸びている。




なんっていうか…………さっきまでの緊張感がなくなったな………。




目の前の人物に一気に脱力していると――


「おぬし、何者じゃ。」





白髪の老人が先に口を開いた。



その声は見た目に反して、よく通る声をしている。



顔の表情は伸びきっているそれのせいで、なかなかに読み取りにくい。




しかし、その声にはわずかに警戒の色がうかがえた。





その言葉に何と答えようか迷っていると…




「…人間……………………ではないな…」