「お姉様はもう少し勉強の1つもしたらいかがです!物事を知らなすぎますわ!」
こんなことを私に言うのは可愛い妹のフランソワですわ!
「だって、勉強難しくないです?」
私がこのように言うと、フランソワは、
「だからお姉様は馬鹿にされるのよ!貴族学校でも恥をかいて!私はね、馬鹿マルガリータの妹呼ばわりされるのもうんざりだったのよ!もっとも私は努力で優秀さを認められましたけどね!」
「フランソワちゃんすごーい!」
「はぁ……こんな姉を持つ私の身にもなって欲しいね!」
「……ごめんね、フランソワに迷惑をかけたいわけじゃなかったんだけど……!」
「馬鹿姉が生きているだけで迷惑なのよ!」
……ああ悲しいなぁ私はフランソワに迷惑をかけたい意識は無かったけど、そこまで思われているなんて……
するとある日お父様から私とフランソワが呼ばれた!
「念願かなって、公爵家の跡取りと我が侯爵家が婚約できることに決まった!ってことで2人のどちらかを婚約させようと思う!」
「ええ!?あのジュリアン様と結婚できるんですか!?」
私とフランソワは大喜び!
だってジュリアン様って超カッコよくて、さらにお仕事もできて、それから……優雅で気品もあって……
まぁ憧れない令嬢はほとんどいないのでは?って方ですよ!
そんな方と結婚!?
するとフランソワは……
「お姉様なんてうちの恥なんだから、私にさっさと譲ってよね!」
何て言うもお父様は……
「いや……私もフランソワがいいのでは?と思ったのだが、あちらが2人のどちらかと希望されたのだ、そうなった以上、マルガリータとフランソワの2人に、ジュリアン殿と会ってもらい、決めてもらおうと思うのだ!」
「はぁ……家の恥にならないといいですけどね、まぁ私がすぐにでもジュリアン様に気に入られて見せますわ!」
何て言うも、私は……
「うん、私も頑張るからジュリアン様に嫌われないといいな!」
と思うのであった……!
こうしてメイドさん達に私達2人は思いっきりオシャレをしてもらい、
公爵家へと向かうことになった!
公爵家にたどり着くと……
ジュリアン様と公爵家の者たちが歓迎をしてくれて、お茶やお菓子などが用意されていた!
私はその素敵さにうっとりしていると……
フランソワに「お姉様はまるで子供ね!そんなことにいちいち浮かれて恥ずかしい!」
なんて私に文句を言ってくる……
だって……このお菓子素敵じゃない……!
私はそう思うも、フランソワににらまれるのであった……
「……今日は私のために来てくれてありがとう、どうかお二人のご令嬢、歓迎します!」
なんて挨拶をするジュリアン様の優雅さに、私はもう自分の顔が真っ赤になっていることが分かった!
か……かっこよすぎる!
するとフランソワは「ジュリアン様ったら、そんなことを言って嬉しいですわ、でも私だけを見てくれるともっと嬉しいんですけど……」
などとアピールを開始した!
ああ、私ってこういう時に上手いことが言えないからいつも駄目扱いされるのよね……!
でも私には上手いことが言えずに、代わりに、言った後後悔するズレたことを言ったのであった!
「……ジュリアン様、素敵なお菓子やお茶ありがとうございます!私こういうの詳しいわけでは無いんですけど、丁寧で贅が尽くされていることだけは何となく分かるんです!」
というも、ああフランソワが言うように子供か?と言った直後に後悔をするのであった……
しかしジュリアン様は優しく、「……まぁ私の手柄顔をする気は無いが、家の者たちが作ってくれたものをそのように言ってくれるのは彼らの代わりに嬉しく思うよ!」
何て言ってくれるので、ああやっぱ素敵と思うのであった……!
そして優雅にお茶やお菓子を頂いているのだが、フランソワがさっそく動き出した!
「ジュリアン様?頭の良い方とそうでもない方は、どっちが素敵だと思いますか?」
「……これは手厳しい、それは頭が良いに越したことは無いと思うよ?」
「やはりそうですよね!では努力する方と、怠ける方は、どっちがいいと思いますか?」
「……もちろん努力するほうがいいと思うよ……?」
フランソワが言いたいことが何となく分かった!きっと私とフランソワを比較させるために、ああいうことを言っているのですわ!
お馬鹿だと思われる私ですら気づいてしまった!
……仕方ないとは思うけど、フランソワは選ばれたいだけじゃなくて、私に悪意があるのかなって少し感じて悲しい気持ちになった……!
ジュリアン様に選ばれたくて何でもするってのならまだ分かるけど、姉の私が嫌いなんだろうなと……
もちろん私のせいで、私の妹ってことで嫌な目にあったからってあるから、私が悪いんだろうけど、それでも悲しいなと……
私はフランソワのこと嫌いじゃなかったのに……!
「流石ジュリアン様ですわ!でも世の中には頭が良く無くてそれなのに努力もしない方がいるの!そんな方と婚約とか無理だと思わないかしら?」
ああ……明らかに私は失格だと言いたいのね……
「……そう単純では無いと思うよ?」
あれ?ジュリアン様が思わぬことを言い出したぞ!
「どういうことですか?」
「先ほどの質問は単純な一般論ならば、頭がいいことや努力することが大事であることは、私も思う、でも婚約者で、かつ頭が良くて努力するという組み合わせがいいかというと、また別の話になるのさ!」
「どういうことかしら?」
フランソワが質問するけど、私もまったく同じ疑問を思ったのであった……
一体、ジュリアン様は何をお考えになっているのか!
「……上手く説明できる気がしないけど、今までのやりとりから私が正直に思っていることを伝えようと思うよ……」
「お願いします!」
私が思わず口を挟んでしまうと……フランソワに睨まれた!
「……ではまず結論から言おうと思う、この婚約、まだ絶対では無いが、今のところマルガリータ嬢としたいと考えている!」
「ええ!?」
私もフランソワも同時に驚くのであった!
「……まさかお姉様が超タイプだったみたいなオチですか?そうでなければ信じられませんわ!」
「……まさかそんなことで婚約者を選んだりしないよ、そもそも2人ともキレイだしね!」
「だったら何でですか!」
フランソワが明らかに怒っているのが伝わる……
だが私も嬉しいけど何で?と思うのである……!
「理由はいくつかあるが、まず表面的に言えるのは、明らかに姉を踏み台にしようとしている性格が悪そうな子は嫌だなって点!」
……ジュリアン様やっぱよく見てるなぁ……!
「……お姉様の不出来さを知れば仕方ないことだと思いますわ!」
「……なるほどそういうことを思っているんだね、まぁ分からなくはないが、ここからが本当に思ったことなんだよ……!」
雰囲気が変わった!?
ジュリアン様の優雅ではなく、厳しい仕事の顔みたいな雰囲気を感じる!?
「一体どういうことかしら!?」
フランソワが聞くと……
「君は姉よりも優秀で努力している、それが主張なんだろ?」
「その通りですわ!だから私のほうが必ず妻として役に立つのです!」
「……だがね、それは所詮中途半端なのでは無いのかな?」
「どういうことかしら!?」
「君の貴族学校の成績は当然調べさせてもらったが、確かに学年トップクラスではあるが、それだけだ」
「何故それが問題なのです!」
「……公爵家ともなれば、成績優秀なものなど雇って使うことができるのだ、もちろん飛び抜けて貴族学校史上歴史的に残るレベルの秀才ならばまだしも、学年トップレベルなんてのは珍しいレベルでも何でも無い!」
「でも頭がいいにこしたことはないじゃないですか!」
「いいや、君はその程度で自分を誇っているだろう?中途半端なくせに誇る、一番扱いにくい人間だと思わない?もちろん、もっと身分が低いものの世界ならばそれが通じることもあるが、公爵家ともなれば、一流の優秀な人材を雇えるのだから、別に中途半端な優秀な妻なんて求めていないのだよ!」
「だからって何も考えていないお姉様がいいってどういうこと!?」
「さっきも言っただろう?下手に優秀だからってことでアピールをしない分、周りともめない、それだけでも十分では無いか……!」
「でもお姉様の馬鹿さではきっと困らされると思いますわ!」
「いや、案外そうでもないと私は思っているよ?」
ええ!?私が周りを困らせないって!?
私すら驚いた顔をしている様子を、ジュリアン様は優しい顔で一瞬見て下さった……!
「本来貴族は皆そうあるべきだと思うけど、公爵家として、王家に近いから感じていることだが、私が大事だと思うのは、貴族とはバランス感覚なんだよ!」
「ど……どういうことかしら?」
フランソワが聞くと……
「まずは王家という我々貴族の官位を下さる絶対的な存在に、常に警戒し、それでいながら仕えること!その気になれば、王家というのは我々の官位を取り上げることだってできるのだから!もちろんそんなことは滅多にしないが、理論的には可能、故に我々貴族は弁えないといけない、それをフランソワ、君は徹底できる?きっといつか調子に乗る危うさを感じるね、その点マルガリータ嬢ならば、そういう危うさを感じない……!」
「私だって学べば可能ですわ!」
「……確かにそうかもね、でももう1つがきっと君はできない!」
「そんな!私ならば何でもできますわ!」
「……その傲慢な姿勢が怪しいね、もう1つは王家に注意しながら、これは同時に行わないといけないから、バランスと言ったのだが、下の者たち、領内の平民や部下になる下位貴族達、ほかにも他家の貴族達に、こちらが卑屈になってはいけないが、かといって嫌われたり恨まれたりすることも避ける!こういう高度なバランス、アピールしたがりの君では無理では無いか?それに比べれば、雰囲気を察することが上手なマルガリータ嬢のほうが期待できる、どうかね?」
「そんな!?」
まさか私がこんなにも褒められたことは人生で一度も無かったから驚きしかないのを感じている……
「……多分マルガリータ嬢は勉強とかが苦手とか思っていたのでは?貴族学校の様子を調べさせるとそういう感じに見えたのだが……」
「は……はいその通りです!」
「……確かに勉強ができないよりはできたほうがいいが、無理をして努力自慢をするくらいならば、フランソワ嬢みたいになってしまうくらいならば、できないままでいい、だって公爵家は優秀な人材を抱えることができるのだから……!」
「……」
私は難しいことを言ってるなぁってことだけは分かった!
「……それから、君は別に意図したつもりは無かったんだろうけど、お菓子やお茶の良さを感じることができた、こういうのは仕える側からしたらちゃんと見ているんだってことになるから、そういうところ、きっと貴族夫人向きだと思うよ、だから私と結婚して欲しい!」
フランソワはブチ切れた!
「……信じられませんわ!私はこんなにも努力してきたのに、遊んでいたお姉様と婚約だなんて!馬鹿令嬢が好きな情けない男でしたの!?ジュリアン様って!?」
「勘違いするな!」
ジュリアン様がいつになく一喝をした!?
「フランソワ嬢、そこまで自分が飛び抜けて凄い令嬢だと言うのなら、たかが私ごときではなく、王太子妃でも目指すが良い!そこまでの覚悟も無いくせに、優秀とか何とか威張ったりするな!その弁えが無いからこそ、私は君と婚約することはありえないんだ!」
フランソワは当然そこまでの気概が無いからか、黙ることになってしまったのであった……
ジュリアン様は2人になった時に言う……
「みんなは私を、まるで理想の貴族のように言う、まぁそう思われること自体はありがたいが、あくまでそれが本当だとしても理想の貴族止まりなのさ、そういう自嘲があるからこそ、まさに私は貴族だなって思うんだ、そんな中途半端な男だけど、これから頼むよ……」
何て言うけど、私は何て言うか、そういう上手く言えないけど自信があるのに謙虚な姿に、ますます好きになるのであった!
こんなことを私に言うのは可愛い妹のフランソワですわ!
「だって、勉強難しくないです?」
私がこのように言うと、フランソワは、
「だからお姉様は馬鹿にされるのよ!貴族学校でも恥をかいて!私はね、馬鹿マルガリータの妹呼ばわりされるのもうんざりだったのよ!もっとも私は努力で優秀さを認められましたけどね!」
「フランソワちゃんすごーい!」
「はぁ……こんな姉を持つ私の身にもなって欲しいね!」
「……ごめんね、フランソワに迷惑をかけたいわけじゃなかったんだけど……!」
「馬鹿姉が生きているだけで迷惑なのよ!」
……ああ悲しいなぁ私はフランソワに迷惑をかけたい意識は無かったけど、そこまで思われているなんて……
するとある日お父様から私とフランソワが呼ばれた!
「念願かなって、公爵家の跡取りと我が侯爵家が婚約できることに決まった!ってことで2人のどちらかを婚約させようと思う!」
「ええ!?あのジュリアン様と結婚できるんですか!?」
私とフランソワは大喜び!
だってジュリアン様って超カッコよくて、さらにお仕事もできて、それから……優雅で気品もあって……
まぁ憧れない令嬢はほとんどいないのでは?って方ですよ!
そんな方と結婚!?
するとフランソワは……
「お姉様なんてうちの恥なんだから、私にさっさと譲ってよね!」
何て言うもお父様は……
「いや……私もフランソワがいいのでは?と思ったのだが、あちらが2人のどちらかと希望されたのだ、そうなった以上、マルガリータとフランソワの2人に、ジュリアン殿と会ってもらい、決めてもらおうと思うのだ!」
「はぁ……家の恥にならないといいですけどね、まぁ私がすぐにでもジュリアン様に気に入られて見せますわ!」
何て言うも、私は……
「うん、私も頑張るからジュリアン様に嫌われないといいな!」
と思うのであった……!
こうしてメイドさん達に私達2人は思いっきりオシャレをしてもらい、
公爵家へと向かうことになった!
公爵家にたどり着くと……
ジュリアン様と公爵家の者たちが歓迎をしてくれて、お茶やお菓子などが用意されていた!
私はその素敵さにうっとりしていると……
フランソワに「お姉様はまるで子供ね!そんなことにいちいち浮かれて恥ずかしい!」
なんて私に文句を言ってくる……
だって……このお菓子素敵じゃない……!
私はそう思うも、フランソワににらまれるのであった……
「……今日は私のために来てくれてありがとう、どうかお二人のご令嬢、歓迎します!」
なんて挨拶をするジュリアン様の優雅さに、私はもう自分の顔が真っ赤になっていることが分かった!
か……かっこよすぎる!
するとフランソワは「ジュリアン様ったら、そんなことを言って嬉しいですわ、でも私だけを見てくれるともっと嬉しいんですけど……」
などとアピールを開始した!
ああ、私ってこういう時に上手いことが言えないからいつも駄目扱いされるのよね……!
でも私には上手いことが言えずに、代わりに、言った後後悔するズレたことを言ったのであった!
「……ジュリアン様、素敵なお菓子やお茶ありがとうございます!私こういうの詳しいわけでは無いんですけど、丁寧で贅が尽くされていることだけは何となく分かるんです!」
というも、ああフランソワが言うように子供か?と言った直後に後悔をするのであった……
しかしジュリアン様は優しく、「……まぁ私の手柄顔をする気は無いが、家の者たちが作ってくれたものをそのように言ってくれるのは彼らの代わりに嬉しく思うよ!」
何て言ってくれるので、ああやっぱ素敵と思うのであった……!
そして優雅にお茶やお菓子を頂いているのだが、フランソワがさっそく動き出した!
「ジュリアン様?頭の良い方とそうでもない方は、どっちが素敵だと思いますか?」
「……これは手厳しい、それは頭が良いに越したことは無いと思うよ?」
「やはりそうですよね!では努力する方と、怠ける方は、どっちがいいと思いますか?」
「……もちろん努力するほうがいいと思うよ……?」
フランソワが言いたいことが何となく分かった!きっと私とフランソワを比較させるために、ああいうことを言っているのですわ!
お馬鹿だと思われる私ですら気づいてしまった!
……仕方ないとは思うけど、フランソワは選ばれたいだけじゃなくて、私に悪意があるのかなって少し感じて悲しい気持ちになった……!
ジュリアン様に選ばれたくて何でもするってのならまだ分かるけど、姉の私が嫌いなんだろうなと……
もちろん私のせいで、私の妹ってことで嫌な目にあったからってあるから、私が悪いんだろうけど、それでも悲しいなと……
私はフランソワのこと嫌いじゃなかったのに……!
「流石ジュリアン様ですわ!でも世の中には頭が良く無くてそれなのに努力もしない方がいるの!そんな方と婚約とか無理だと思わないかしら?」
ああ……明らかに私は失格だと言いたいのね……
「……そう単純では無いと思うよ?」
あれ?ジュリアン様が思わぬことを言い出したぞ!
「どういうことですか?」
「先ほどの質問は単純な一般論ならば、頭がいいことや努力することが大事であることは、私も思う、でも婚約者で、かつ頭が良くて努力するという組み合わせがいいかというと、また別の話になるのさ!」
「どういうことかしら?」
フランソワが質問するけど、私もまったく同じ疑問を思ったのであった……
一体、ジュリアン様は何をお考えになっているのか!
「……上手く説明できる気がしないけど、今までのやりとりから私が正直に思っていることを伝えようと思うよ……」
「お願いします!」
私が思わず口を挟んでしまうと……フランソワに睨まれた!
「……ではまず結論から言おうと思う、この婚約、まだ絶対では無いが、今のところマルガリータ嬢としたいと考えている!」
「ええ!?」
私もフランソワも同時に驚くのであった!
「……まさかお姉様が超タイプだったみたいなオチですか?そうでなければ信じられませんわ!」
「……まさかそんなことで婚約者を選んだりしないよ、そもそも2人ともキレイだしね!」
「だったら何でですか!」
フランソワが明らかに怒っているのが伝わる……
だが私も嬉しいけど何で?と思うのである……!
「理由はいくつかあるが、まず表面的に言えるのは、明らかに姉を踏み台にしようとしている性格が悪そうな子は嫌だなって点!」
……ジュリアン様やっぱよく見てるなぁ……!
「……お姉様の不出来さを知れば仕方ないことだと思いますわ!」
「……なるほどそういうことを思っているんだね、まぁ分からなくはないが、ここからが本当に思ったことなんだよ……!」
雰囲気が変わった!?
ジュリアン様の優雅ではなく、厳しい仕事の顔みたいな雰囲気を感じる!?
「一体どういうことかしら!?」
フランソワが聞くと……
「君は姉よりも優秀で努力している、それが主張なんだろ?」
「その通りですわ!だから私のほうが必ず妻として役に立つのです!」
「……だがね、それは所詮中途半端なのでは無いのかな?」
「どういうことかしら!?」
「君の貴族学校の成績は当然調べさせてもらったが、確かに学年トップクラスではあるが、それだけだ」
「何故それが問題なのです!」
「……公爵家ともなれば、成績優秀なものなど雇って使うことができるのだ、もちろん飛び抜けて貴族学校史上歴史的に残るレベルの秀才ならばまだしも、学年トップレベルなんてのは珍しいレベルでも何でも無い!」
「でも頭がいいにこしたことはないじゃないですか!」
「いいや、君はその程度で自分を誇っているだろう?中途半端なくせに誇る、一番扱いにくい人間だと思わない?もちろん、もっと身分が低いものの世界ならばそれが通じることもあるが、公爵家ともなれば、一流の優秀な人材を雇えるのだから、別に中途半端な優秀な妻なんて求めていないのだよ!」
「だからって何も考えていないお姉様がいいってどういうこと!?」
「さっきも言っただろう?下手に優秀だからってことでアピールをしない分、周りともめない、それだけでも十分では無いか……!」
「でもお姉様の馬鹿さではきっと困らされると思いますわ!」
「いや、案外そうでもないと私は思っているよ?」
ええ!?私が周りを困らせないって!?
私すら驚いた顔をしている様子を、ジュリアン様は優しい顔で一瞬見て下さった……!
「本来貴族は皆そうあるべきだと思うけど、公爵家として、王家に近いから感じていることだが、私が大事だと思うのは、貴族とはバランス感覚なんだよ!」
「ど……どういうことかしら?」
フランソワが聞くと……
「まずは王家という我々貴族の官位を下さる絶対的な存在に、常に警戒し、それでいながら仕えること!その気になれば、王家というのは我々の官位を取り上げることだってできるのだから!もちろんそんなことは滅多にしないが、理論的には可能、故に我々貴族は弁えないといけない、それをフランソワ、君は徹底できる?きっといつか調子に乗る危うさを感じるね、その点マルガリータ嬢ならば、そういう危うさを感じない……!」
「私だって学べば可能ですわ!」
「……確かにそうかもね、でももう1つがきっと君はできない!」
「そんな!私ならば何でもできますわ!」
「……その傲慢な姿勢が怪しいね、もう1つは王家に注意しながら、これは同時に行わないといけないから、バランスと言ったのだが、下の者たち、領内の平民や部下になる下位貴族達、ほかにも他家の貴族達に、こちらが卑屈になってはいけないが、かといって嫌われたり恨まれたりすることも避ける!こういう高度なバランス、アピールしたがりの君では無理では無いか?それに比べれば、雰囲気を察することが上手なマルガリータ嬢のほうが期待できる、どうかね?」
「そんな!?」
まさか私がこんなにも褒められたことは人生で一度も無かったから驚きしかないのを感じている……
「……多分マルガリータ嬢は勉強とかが苦手とか思っていたのでは?貴族学校の様子を調べさせるとそういう感じに見えたのだが……」
「は……はいその通りです!」
「……確かに勉強ができないよりはできたほうがいいが、無理をして努力自慢をするくらいならば、フランソワ嬢みたいになってしまうくらいならば、できないままでいい、だって公爵家は優秀な人材を抱えることができるのだから……!」
「……」
私は難しいことを言ってるなぁってことだけは分かった!
「……それから、君は別に意図したつもりは無かったんだろうけど、お菓子やお茶の良さを感じることができた、こういうのは仕える側からしたらちゃんと見ているんだってことになるから、そういうところ、きっと貴族夫人向きだと思うよ、だから私と結婚して欲しい!」
フランソワはブチ切れた!
「……信じられませんわ!私はこんなにも努力してきたのに、遊んでいたお姉様と婚約だなんて!馬鹿令嬢が好きな情けない男でしたの!?ジュリアン様って!?」
「勘違いするな!」
ジュリアン様がいつになく一喝をした!?
「フランソワ嬢、そこまで自分が飛び抜けて凄い令嬢だと言うのなら、たかが私ごときではなく、王太子妃でも目指すが良い!そこまでの覚悟も無いくせに、優秀とか何とか威張ったりするな!その弁えが無いからこそ、私は君と婚約することはありえないんだ!」
フランソワは当然そこまでの気概が無いからか、黙ることになってしまったのであった……
ジュリアン様は2人になった時に言う……
「みんなは私を、まるで理想の貴族のように言う、まぁそう思われること自体はありがたいが、あくまでそれが本当だとしても理想の貴族止まりなのさ、そういう自嘲があるからこそ、まさに私は貴族だなって思うんだ、そんな中途半端な男だけど、これから頼むよ……」
何て言うけど、私は何て言うか、そういう上手く言えないけど自信があるのに謙虚な姿に、ますます好きになるのであった!



