想い出はいつも雨

修治「あっ、ごめん。ちょっと考え事してた」

信也「はいはい、そうですか。ところで天気もいいし、このまま遊びに行かないか?渋谷、新宿、池袋、何処がいい?」

修治「俺、今日はいいや」

信也「おいおい、乗りの悪い奴だな。せっかくなんだから行こうぜ」

修治「ごめん。ちょっと用事あるから」

信也「用事?また図書館?最近、良く行ってるもんな。誰か可愛い子でもいるのか?俺にも紹介しろよ」

修治「そんなんじゃないよ。じゃあ、俺急ぐから」

信也「ああ、行ってらっしゃい」

修治、走り去る。

信也「分かりやすい奴」

○図書館

美咲が本の整理をしていると、かおりが来る。

かおり「じゃあ、お先ね」

美咲「またデート?」

かおり「こんな良い日に、こんな所にいたってしょうがないでしょ」

美咲「かおりったら」

かおり「怒らない、怒らない。そんな怒ったら、キレイな顔が台無しだぞ」

美咲「かおり!」

かおり「じゃあ、あとお願いね」

かおり、歩きながら背中越しに手を振る。