想い出はいつも雨

○同(同)

出店が道の両サイドを埋めている。

修治と美咲が並んで歩いている。

美咲、金魚の入った袋を持っている。

美咲「うまいね」

修治「まぐれ、まぐれ。もう何年もやってないし。小さい頃なんて、アニキと一緒にこれでもかってぐらい、取れたんだけどな」

美咲「へぇー、そうなんだ」

修治「そうそう。アニキがまたすごくうまくて」

美咲「修治君、お兄ちゃんいるんだ」

修治「あ、ああ」

美咲「いいな。私、一人っ子だから、そういうのなくて。憧れるな」

修治「・・・」

美咲「だからかな、かおりの事、お姉ちゃんみたいに思ったり、修治君の事、弟みたい
に思うのは」

修治、突然立ち止まる。

美咲「どうしたの?」

修治「ううん。それより、その浴衣、キレイですね」

美咲「そうかな」

修治「さっきも見とれちゃって」

美咲「やだ、恥ずかしい。でもお世辞でも嬉しいな」