想い出はいつも雨

修治「帰ります。かおりさんの暇潰しに付き合ってるほど暇じゃないんで」

修治、立ち去ろうとする。

かおり「ちょっと待った」

修治立ち止まり、かおりの方を振り返る。

修治「何ですか?」

かおり「お姉さん、いじめるけど、嘘は吐かないわよ」

修治「さっき嘘吐いたじゃないですか?」

かおり「ああ、さっきの。あれは冗談」

修治「・・・」

かおり「さあ座って。さあ、さあ」

修治、座る。

かおり「そう、素直でよろしい」

修治、かおりをにらむ。

かおり「そんな恐い目で見ない。そんなんじゃ、美咲に嫌われちゃうわよ」

修治「(少し怒った口調で)かおりさん」

かおり「冗談、冗談」

かおり、コーヒーを一口飲む。

修治、かおりにつられてコーヒーを飲むが、冷めていて表情を曇らせる。

かおり「あれ、どうしたの?冷めたコーヒー好きなんだよね」

修治「当たり前じゃないですか、おいしいですよ」