恋愛百景



エピローグ「消えない想い」

駅前。

人混みの中で足が止まる。

(……先生?)

そこにいたのは、佐倉七瀬だった。

少し大人になっていても、雰囲気は変わらない。

短い沈黙のあと。

「先生」

葉山優斗が呼ぶ。

「俺、あの頃——」

言葉が詰まる。

それでも止めない。

「先生のこと、好きでした」

時間が止まる。

そして——

「……今は?」

「今も、好きです」



エピローグ(佐倉七瀬視点)「消えない記憶」

彼の言葉を聞いた瞬間、昔の教室がよみがえった。

ずっと目を逸らしてきた気持ち。

しかし教師という立場が、それを止めていた。

卒業の日の「お世話になりました」が、今でも胸に残っている。

そして今日。

彼はようやく言った。

「先生のこと、好きでした」

一瞬、時間が止まる。

そして少しだけ笑って言った。

「じゃあ、今度はちゃんと言いなさいよ」