気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


婚活カウンセリングで、相談者の女性には「男性の胃袋を掴みましょう」などとアドバイスしているけれど、私自身は料理が得意ではない。

作れるのはカレーとシチューと肉じゃがくらい。

味付けが違うだけで、すべて食材が同じ料理だ。

おとといは広大さんにスタミナをつけて欲しいと思い、特大ステーキを焼いたら丸焦げになり、部屋に煙が充満してしまった。

「うん。香ばしい。これくらい火が通っていた方が食あたりの心配がない。」

広大さんはそう言って、残さず食べてくれた。

先週は肉豆腐に挑戦してみたけれど、豆腐が崩れて麻婆豆腐になってしまった。

「和風麻婆豆腐だな。都は創作料理の天才だ。」

広大さんは喜んでそれをおかわりした。

「都の作ってくれる料理は、なんでも美味しい。俺はなんて幸せ者なんだ。」

心からの笑顔でそう褒めてくれる広大さんを見て、私はいつも泣きそうになる。

昨日は書店で「誰でも作れる見た目よしの体力モリモリ料理」という本を買ってきた。

これでレパートリーを増やし、本当に美味しい料理を広大さんに食べさせてあげたい。