気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


もうどうにでもなれ。

俺はベッドに横たわる都の隣に、自らの身体を滑り込ませた。

都の肩と俺の肩が触れあう。

都からサクラ&さくらんぼの良い香りがする。

その身体を後ろから思い切り抱きしめ、その顔にキスの雨を降らせたい。

でもそんなことをしたら、途中で止められなくなり、ゴールまで走りきってしまうだろう。

「都。やっぱり」

横を向くと、都はすでに眠りについていた。

その健やかな寝息と規則的に動くまつげは、まるで幼い子供のようだ。

マシュマロのように柔らかそうな耳たぶを、食べてしまいたくなる。

しかし都の寝顔を見られただけでも、充分心が満たされた。

「こういうのも悪くない。でもこれくらいは許してくれ。」

俺は隣で眠る都の指と自分の指を絡ませ、ゆっくりと目を閉じた。