気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


今日は映画鑑賞デートだ。

都が好きだという、日常系ほっこり映画「こんな日はうどんを食べましょう」が上映される映画館に向かう。

しかし視界が歪んで、真っ直ぐに歩くことが出来ない。

都がすぐに俺の異変に気付いた。

「広大さん。顔色が悪いです。疲れているんじゃないですか?」

「大丈夫だ。映画館へ急ごう。」

「駄目です。今日は映画を観るのは中止しましょう。」

都はすばやくアプリでタクシーを呼び、俺を車内に押し込んだ。

横に座った都は、俺のマンションがある住所地を運転手に告げた。

「なるべく急ぎでお願いします。」

そう運転手を急かす都の声が、次第に遠くなった。