気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


10時間以上にわたるオペが終わり、俺は医局の休憩室でつかの間の仮眠を取っていた。

昨夜も緊急入院した患者の対応で忙しく、ほとんど休めていない。

本来ならいますぐにでも自宅に帰り、ベッドに潜り込みたいところだが、2時間後に都との大切なデートの約束が控えている。

都とは、もう半月以上会えていない。

毎日メッセージ交換をしてはいるものの、都が喜びそうな気の利いた言葉もわからず、世間の流行にも疎い俺は、毎回の食事内容を写真に撮って送ることしか出来ずにいる。

今日会わなければ、俺は都の仮交際相手としての資格を失ってしまうような気がする。

それだけは、どうしても避けなければならない。