気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


「いままで、何人くらいの女性と交際したんですか?」

「憶えていない。」

それはそうだろう。

広大さんはイケメンだし、女性が憧れるお相手男性の職業トップ3に入るお医者さまであり、性格もいたって温和だ。

きっと沢山の女性と交際したに違いない。

彼女達に負けないように、私も努力しなければ。

「広大さんが付き合った女性の傾向を教えてください。」

「傾向?」

「はい。」

広大さんはまたもや熟考し始めた。

30秒後、広大さんは答えた。

「わからない。」

「え。」

「彼女達のことをまったく憶えていない。」

「え。」

「自分から付き合いたいと思ったのは、都が初めてだ。いや、付き合いたいなんて言葉は弱すぎるというか、もう絶対に離れたくないというか、もし離れたら崖から飛び降りるしかないと思っているというか・・・。」

「崖からは飛び降りないでください。」

でも、そんな強い心意気でアプローチされたら、こう答えるしかない。

「広大さん。仮交際継続で、よろしくお願いします。」

「こちらこそ。」

私達は、お互い見つめ合い、そして頭を下げた。

「ちなみに、都はどんな男と付き合ってきたのか教えてくれないか?その男に近づけるよう、傾向と対策を立てたい。」

「嫌です。」

「え?」

「私は、いまのままの広大さんじゃなきゃ、嫌です。」

「わかった。では特に性格改善はしない方向性で進んでいくことにする。」

「くれぐれも、よろしくお願いします。」

今日の仮交際初デートは大成功だ。

私は晴れ晴れとした気持ちで、大きなチョコバナナを頬張った