気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


俺は都を自宅マンションの部屋へ招き入れた。

広いリビングに最新モデルのキッチンを備えた俺の部屋に、都は目を見開いた。

「こんな広い部屋に、ひとりで住んでいるんですか?しかもコンシェルジュ付きのマンションなんて、初めて入りました。」

「まあ、くつろいでくれ。」

俺は冷蔵庫の中にある、先日患者から貰ったフルーツジュースをグラスに注いだ。

ソファに座った都は、恐縮した様子で俺からグラスを受け取った。

ジュースを一口飲んだ都は、「ん?」と首を傾げた。

「これ、1年は待たないと手に入らない、愛媛のトロピカルミラクルピンクオレンジジュースです。」

「そうなのか?俺はその方面には明るくないから、知らなかったが。」

随分と長い名前のジュースだな。

そんなに貴重なジュースと知らず、水のように飲んでいた。

猫に小判とは、よく言ったものだ。