気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


「広大さん。あなたにとって今の私は、まだ他人みたいなものですよね?だから恋人みたいなスキンシップは、もう少しお互いを知ってからにしましょう。」

波川広大は目を伏せ、そして頷いた。

「わかった。そうしよう。」

「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」

「ああ。よろしく。」

私と波川広大を乗せたタクシーは、暮れなずむ街を、ゆっくりと走っていった。