「とりあえず、俺がひとり暮らしをしているマンションへ帰ろう。」 「夜景が綺麗に見える、あのマンションですか?」 「都・・・俺のマンションの部屋は2階だ。」 「そうでした。」 波川総合病院の敷地内にあるタクシー乗り場で車を拾い、ふたりで乗り込んだ。 波川広大の記憶が戻ったら、私はなにかの罪に問われるのだろうか。 でもそんなことをぐだぐだ考えても仕方がない。 いま、やれることをやらなければ。 「都。」 突然耳元で名前を囁かれた。 この男、声もすごく良い。