気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


どうしてこんなことに。

病院のベッドの上で、波川広大は目を瞑り横たわっていた。

「波川せんせー!!死なないでえ!」

美奈三が波川広大の耳元でわんわん泣いている。

これって私達のせいなのだろうか。

だって波川広大は、私と美奈三を見た瞬間、階段から転がり落ちたのだ。

どうしよう。

最悪の事態になったら、どう責任を取ったらいいのだろう。

私はベッドのそばで腕を組む、縁なし眼鏡を掛けた医者に尋ねた。

「あの、このまま目を覚まさないなんてことはありますか?」

「それはないと思います。脳波はいたって正常ですし。」

「痛っ・・・」

「あ!波川せんせー、目を覚ました!」

美奈三の喜ぶ声と同時に、波川広大は身体をゆっくりと起こした。