気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


そんなことを思っていると、ビルの自動ドアが開き、ふたりの女が出て来た。

ひとりは真っ黒で、派手なリボンを付けた、どこかの姫みたいな服を着た若い女。

そしてもうひとりは、小柄な身体を地味な紺色のスーツで包んだ、黒髪ショートボブの女・・・保土ケ谷都だ。

婚活パーティで会ったときとは随分雰囲気が違うが、間違いない。

若い女が都の手を引っ張り、どんどん先を歩いて行く。

都はなかば強引に連れて行かれる、といった感じだ。

よく見ると、若い女の方もどこかで見たような気がする。

どこだっただろう・・・?

まあ、都以外のことは、この際どうでもいい。

俺は反射的に、ふたりの跡をつけるために、ゆっくりと歩き出した。