あの自動ドアから、都が現れないだろうか。
しかし、現れたからといって、どう行動すればいいのか。
よくわからない感情に突き動かされてここまで来たのはいいものの、この有様。
総一郎の言う通りだ。
32歳にもなって、俺はこれまで何を学んできたのだろう。
子供の頃から医者になることが決まっていた。
だからそれを実現するために、全力で邁進してきた。
その合間に、恋愛らしきイベントもあったような気がする。
けれどその記憶を思い出そうとしても、もう彼女達の顔さえ分からずじまいだ。
俺は冷めた男なのだろうか。
別に恋愛に興味がないわけではない。
ただ仕事以上に情熱を燃やせる相手に出会わなかっただけだ。
そんな俺が、いまここでこうして、会えるかどうかもわからない女を待っている。
合理的じゃない行動は、嫌いなはずなのだが・・・



