都がエースカウンセラーとして活躍しているらしい『LOVE×3』結婚相談所は、老舗高級繁華街の一角にある3階建てのオフィスビルの中にあった。
偶然なのか、それとも運命か、都の職場は俺が勤める波川総合病院から歩いてこれる距離にある。
視線を上げると、パステルピンクのリボンが印象的な看板が、目に飛び込んで来る。
そこに結婚したい男女が、甘い蜜を求めるカブトムシの如く、吸い寄せられていくのだろう。
俺は歩道に植えてある桜の木の幹に隠れ、ビルの自動ドアから吐き出される男女をじっと眺めていた。
貴重な非番の日を使ってまで、俺は一体何をしているのだろう。
ポケットから都の名刺を取りだし、あれから幾度となくつぶやいたその名前を口にする。
「保土ケ谷都・・・」



