気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


「・・・都ちゃん。この彼氏の名前は?」

「名前?」

「そう。名前。」

名前、聞き忘れた。

どうしよう。

私は背中に嫌な汗を流しながら、引きつった笑顔を浮かべた。

「えーと」

私が口を半開きにして固まっていると、美奈三がつぶやいた。

「波川先生。」

「波川?」

疑問形で返すことなどあり得ない私の言葉を聞き流し、美奈三は顔を上気させながら叫んだ。