松也と新之介と勘太郎と仁左衛門が揃ってやってきた。
広大さんは70歳で、波川総合病院の院長を引退した。
今は松也が院長職を継ぎ、新之介は弁護士、勘太郎はパイロット、仁左衛門は警視正として活躍している。
4人は真面目な顔をして言った。
「お父さんもお母さんも、そろそろふたりだけで暮らすのは限界だよ。今は健康かもしれないけど、いつ体調を崩したり、ボケてしまうかわからないんだから。僕ら4人の家のどれかを選んで同居してください。」
私はすかさず言った。
「嫌です。」
「なんでだよ!」
4人揃って私にツッコんだ。
「広大さんは仕事を引退して、私も子育てが終わって、やっとずっと一緒にいられるようになったんですよ?これからもずっとふたりきりがいいんです。」
「俺も同じ意見だ。」
広大さんが言った。
「おまえ達の気持ちは嬉しい。でも心配するな。俺と都は夫婦で暮らせるサービス付き高齢者向け住宅をもう予約した。」
「わかりました。僕達もまめに遊びに行きますから。」
「邪魔だから、たまにでいい。」
「なんでだよ!」



