気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


子供達が5歳になった。

私が出産した1年後に三也子は小沢さんと結婚し、まもなく妊娠して、3つ子の男の子を産んだ。

時を同じくして、兄と佳央子さんも結婚し、双子の男の子を産んだ。

3人でママ友会を開くと、うちの四つ子、三也子の家の三つ子、佳央子さんの双子、全員合わせて9人の男児が集まる。

私達は、走り回る子供達を3人のパパにお任せし、おせんべいを食べながらひそひそと話す。

「これはもう、野球チームを作るしかないわね。9人もいればひとりくらい大リーグに行く子も出てくるでしょ。」

三也子が取らぬ狸の皮算用を話し出す。

「だめだめ。ダンスユニットを組ませるの。もちろんセンターで歌うのはうちの双子達よ。9人いれば俳優になる子も出てくるわね。」と佳央子さん。

「いっそのこと、あと2人加入させてサッカーチームを組ませるのはどうでしょう。」

私がそう言うと、三也子と佳央子さんが顔を見合わせ、眉間を寄せた。

「どこからその2人をみつけてくるのよ。」

「もう私、産めないわよ。この子達で手一杯なんだから。」

そう反論するふたりを余所に、私はスマホで美奈三に電話をした。

美奈三は昨年ロックシンガーの彼と結婚し、名前が三田美奈三から三輪美奈三になった。

「あ、都ちゃん?どうしたの?」

美奈三が元気な声でそう応答した。

「美奈三さん。いま妊娠中でしたよね?」

「うん。今、私のお腹を蹴りまくってるよ!」

「もしかして双子なのでは?」

「え?なんでわかったの?」

美奈三のびっくりした顔が見えるようだ。

「美奈三さん。子供達をなるべく早くサッカー教室へ通わせてください。」

「都ちゃんの言ってること、意味不明。」