気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


広い和室の部屋に案内され、一息ついた。

俺はさっき買った土産用まんじゅうを紙袋から一箱出した。

「まんじゅう、食べてもいいぞ?」

都は箱をじっとみつめ、首を振った。

「もうすぐ夕食なのでやめておきます。」

「・・・・・・」

いつもだったら、すぐに一箱食べてしまうのに珍しい。

夕食は大きな広間のビュッフェだった。

彩り豊かで、旬の食材を使った料理がこれでもか、というほど並んでいる。

都はここでも、あまり箸が進まないようだった。

「都。具合でも悪いのか?」

「いま、ダイエット中なんです。心配無用です。」

ダイエットなんて必要無いくらい、細い身体なのに。

新婚旅行だから、大食いを控えているのだろうか?

しかし都の幸せそうな顔を見て、俺はその違和感も忘れ、心のレンズで都を激写し続けた。