気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


しかし俺の煩悩が、再び顔を出し始めた。

都と抱きしめ合いながら、眠るようになったのだ。

もちろん、パジャマを着たままである。

都の長いまつげが、寝る直前に食べたのであろう甘いチョコレートの香りが、俺の鼻先にある。

俺は心で除夜の鐘を打ち鳴らす。

108回打ち終わっても、眠りが訪れない。

俺は都を巨大なパンダのぬいぐるみだと、思い込もうとした。

いや、パンダでは可愛すぎる。

イルカのぬいぐるみだ。

クジラのぬいぐるみだ。

サメのぬいぐるみだ。

そして、その夜サメに襲われそうになった夢を見た。