気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


「取り込み中悪いけど、写真撮ってもいいかね?」

黄色いベストを着た写真家の中年男性がコホンと咳払いをし、私達に声を掛けた。

桜模様が背景のスタジオで、椅子に座った私の横に広大さんが立った。

「こういう時は笑った方がいいのか?」

「そのままのあなたでいいんです。」

「これが俺達、ふたりだけの結婚式だな。」

「ふたりだけの秘密です。」

そしてフラッシュの眩い光が、私と広大さんを照らした。

「広大さん。一度しか言いません。」

「心して聞く。」

「私のすべては広大さんのものです。」