気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


「大体、鳥神キヨ助ってなんですか?超有名なミステリ映画のキャラ名じゃないですか。すべてのファンに謝ってください。」

「謝って欲しいのは、俺の方だよ!」

鳥神キヨ助、ではなく小沢総一郎はいきなり立ち上がり、声を荒げた。

「鳥神さん。お静かに。息を吸ってー。はい、吐いてー。」

私が深呼吸を促すと、「鳥神じゃねえわ!」と小沢さんは自分で付けた偽名を罵った。

小沢さんは体勢を整え、再び私に向き合った。

「俺がここへ来た理由は、保土ケ谷都、君に会って苦情を言うためだ。」

「私、ですか?」

まさか、私が目的だったとは。

「苦情とは?私、あなたとは初対面のはずですけど。」

「いや、君は僕と深い関わり合いがある。」

私は首を傾げた。

どこかで会っただろうか。

先日私が間違えて、駅の男性トイレに入ってしまったときの話だろうか。

「その節はすみませんでした。でも私はなにも見ていません。」

「なんの話してんの?」