気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


「どういったものをお求めですか?」

そう言われ、俺は沈黙した。

衝動的に家を出て来てしまったが、どんなものが良いのか、さっぱり見当がつかない。

「婚約指輪が欲しいのですが。」

「それでしたら、こちらのショーケースに並んでいます。婚約者様にお似合いのリングをお探しください。」

ショーケースの中にある、ダイヤモンドの指輪がまばゆい光を放っている。

駄目だ。やっぱりよくわからない。

「どの指輪がいま人気なんですか?」

「そうですね。こちらなんかは、良くお若いカップルが買われていきます。」

執事は沢山ある指輪の中のひとつを、俺に見せた。

「なるほど。」

俺はその指輪をじっとみつめた。