「違うんです。広大さんはなにも悪くないんです。嫌いなところなんてひとつもありません。顔も身体も声も性格もなにひとつ変えないでください。そのままのあなたでいてください。」
「俺以外の男を選ぶことにしたのか?」
私は首を振った。
「広大さん以外の男性なんて一ミリも興味ありません。」
「・・・じゃあ、なんで出て行った。」
「ごめんなさい。」
私はそう言って謝り、頭を下げた。
「私は、広大さんにずっと嘘をついていました。私は広大さんの婚約者ではありません。広大さんの記憶喪失に便乗して、婚約者になりすましたんです。私は詐欺師です。極悪人です。悪の大魔王の手先なんです。」
「・・・君をそこまで追い詰めてしまった俺の方が極刑に値する罪人なんだ。」
広大さんがそう言って、突然土下座をした。



