「都!」
顔を上げると、広大さんがフルマラソンを走り終わった選手のような息切れをして、『cafeあきたこまち』へ飛び込んで来た。
「広大さん・・・どうしてここが・・・」
「君の考えそうなことなんて、俺にはお見通しだ。大食いの君が行く先なんて、ここ以外考えられない。」
「・・・・・・。」
広大さんは私の顔を悲しみに溢れた目でみつめた。
「部屋を出て行った理由を聞かせてくれ。」
「・・・・・・。」
「俺のことが嫌いになったのか?」
「・・・・・・。」
「俺の顔が嫌になったのなら君の好みの顔に整形する。体型が嫌ならジムに通って鍛える。声が嫌ならボイストレーニングに通うし、性格改善講座にだって登録する。都の気持ちを取り戻せるならなんでもする。だから・・・」
広大さんはそう言って、下を向いた。
涙を堪えているのかもしれない。
私はそんな風に想ってもらえるような人間じゃないのに。



