気がついたら天才心臓外科医と婚約していました


帰り道、都が弾んだ声で言った。

「三也子に言われました。婚姻届の証人の座は誰にも譲らないと。」

「そうか。じゃあ別れなくていいんだな?」

「はい。別れません。」

「俺もサッカーをやっておけば良かった。都の心にダイレクト・ボレーシュートを決めたかった。」

「3問目のクイズの答えは間違いです。」

「え?」

「中学2年のときに好きだった男性は、古典の吉岡先生です。どれくらいケーキを食べたら、吉岡先生みたいなお腹になるんだろうって興味があったんです。」

「都のお腹がどれだけ大きくなっても、俺は君と磁石のように離れないからな。」

「広大さんはN極とS極、どちらがいいですか?私はS極がいいです。」

都は俺の腕を掴み、ぴたりと身体を引きつけた。