「波川さん。都が婚活カウンセラーになったきっかけは知っている?」
「それはまだ未確認だ。」
「そう。知らぬは仏かもしれないわね。」
「いや・・・教えてくれ。都のことはなんでも知っておきたい。」
下星川三也子・・・みやっちさんは、静かに語り出した。
「都は大学2年のときに、バードウオッチングサークルで出会ったひとつ上の先輩から告白され、付き合うことになったの。男の人が苦手な都だったけれど、少しづつその先輩に気持ちが傾いていった。」
都の元カレの話・・・心臓が引き裂かれるような痛みが止まらない。
しかし、これも都の歴史なのだ。
どんなに辛くとも、動悸、息切れ、めまいがしようとも、都との絆を強くするための試練なのだ。
「けれどその先輩は、デート中のカフェで都がパンケーキを13枚食べた瞬間、おもむろに席を立ってこう言った。君みたいな大食いな女とは付き合えない。将来結婚してもエンゲル係数が気になって仕方が無い未来しか想像できない、と。」
「・・・・・・。」
「それがトラウマになって都は自分の結婚に夢を持てなくなったの。そして、せめて人様の結婚をお手伝いする縁の下の力持ちになりたい・・・そんな思いで婚活カウンセラーになったってわけ。」



