1時間後。
私と広大さんは園児の輪の中心で、盆踊りを踊っていた。
「はなのみやこの真ん中でー」
「広大さん。歌わなくてもいいです。」
「都にぴったりの曲だな。」
「はい。踊り甲斐があります。」
初めて知ったけれど、広大さんは歌も踊りも上手い。
もしお医者さんにならなかったら、ダンスユニットのアイドルになって多くの女性ファンを魅了していたかもしれない。
広大さんがアイドルにならなくて良かった。
「広大さん、踊り上手いですね。意外です。」
「失礼だな。俺は盆踊りも社交ダンスも踊れる。」
「誰と社交ダンスを踊ったんですか?」
「忘れた。」
私の子供相撲は責めるのに、自分は大人の女性と社交ダンスを踊っていたなんて。
絶対に許せない。
「今度誰かと社交ダンスを踊ったら、別れます。」
「わかった。もう二度と踊らない。」
広大さんは即座にそう答えた。



