高層ホテルの最上階。
広いホールに白いテーブルクロスが掛けられた円卓が置かれ、見た目華やかなオードブルと飲み物が万華鏡のように美しく並ぶ。
ブランドスーツを着た男と、ドレスアップした女が、腹の探り合いをしながら、会話をし、微笑み合う。
そんな茶番に参加する気力はなかった。
なにしろここにたどり着く直前まで、緊急オペを執刀していたのだから。
「ハイクラス限定婚活パーティ」など、本来なら足を踏み入れたくもない。
俺は、一面の窓ガラスから見える都会の夜景を、所在なく眺めていた。
気がつくと、窓ガラスに人影が映っていた。
その人影が、俺の背中に向かって、いきなりこう尋ねた。
「率直に聞きますけど、あなた、天才脳外科医ですか?」
振り向くと、パーティの参加者であろう女が立っていた。



