「わーい、じいじがおきたよ。」

「ははは、ほんとは起きてたんだよ。」


そう言うと父さんは頭をなでた。


「父さん。」


私はあきれたように父さんを見た。こんなに余裕あるなら大丈夫じゃない…。
父さんは真面目な顔になりじっと私を見た。


「心配かけてすまないな…。実はおまえの母さんに連絡したんだ、父さんに何かあったらお前達が困ると思ってな…」


びっくりしたというか…言葉が出なかった。やっとのことで口を開いた。心配していたのに気持ちはうまく伝わらない…。


「え~?なんで今更…父さんは大丈夫でしょう?出ていった人になんかさ…」


父さんは又私をじっと見た。


「父さんだっていつまでも若く元気ではいられない。お前一人では心配なんだ。相談する親戚もいない、肉親は母さんだけだ。」


だからってさ…だからってと言いかけて口をつぐんだ。父さん、病気してから小さく見える。