目が覚めると父さんが帰ってた。


「お帰りー、ご飯は?」


「ああ、夜勤の奴等と食べたから少し寝る。」


なんかいつもより、元気がないように感じた。


「じゃあ、行ってきます。」


いつものように家を出る。自転車に息子を乗せて保育園へ。


「おはようございます。」


いつものように、息子を預けて店へ向かう。
私は、昨日の事を思い出して幸せ気分だった。たとえ一時でも王子と過ごせた。こんな単調な生活の中で、夢くらい見ても…。


「なにニヤニヤしてるの?なんかいい事あったの。」

主任が両替袋を持って、レジに回ってきた。


「いえ、何でもないです。」


私は、気を引き締めて言った。


「まあ、笑顔は良いけど仕事しっかりね。」


「はい。」


主任は、笑いながら両替袋をおいていった。
危ない危ない、気をつけなくちゃ。
お昼休みになり、お弁当を食べ始めたその時、ケータイが鳴った。