コンビニ王子

その夜、私は寝ながら考えた。父さんだってさ、やっぱ恋人欲しいじゃん…。ずっと一人で私を育ててくれて…そしてまた…。
そんな事を考えながら眠りについた。

あくる日は、何事もなかったように朝食食べて保育園へ。


「ママー、お迎え早くねー。」


息子に手を振って仕事へ急ぐ。
ほんとは父さんに頼らないで、生きて行かなくちゃいけないのに…。


「おはよう、ぼーっとして危ないよ。」


不意に後から声をかけられた。
振り返ると…、王子だった。


「おはよう。」


王子も自転車をひいていた。


「あれ?バイクじゃないね。」


「うん、ちょっと修理に出した。」

何だかぎこちない会話…。