「隼人くんが笑った……」
オレがあまりにも大笑いしたもんだから、
女のコは呆けてオレを見ている。
まぁそうなるわな。
でもそんなこと言ったって超笑えんだもん。
しょうがなくね?
「隼人くんが笑ったぁ!」
「え?」
「隼人くんが笑ってくれたっ!
よかったぁっ
今日話して初めて隼人くん笑ってくれたよっ!!」
幸せそうに。
あまりにも幸せそうに笑うから。
喜ぶから。
オレはその笑顔を見てなんだか、
一気にこっちまで気が抜けて警戒なんて解いちまったんだ。
「アンタさー」
「ゆき!
ゆきって呼んでっ!!」
女のコの……ゆきの余りの勢いにちょっとビビる。
