無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

緊張もほぐれてきた頃、サト君は食い入るように私を見て、静かに呟いた。


「まさかとは思うけどさ、羽奈ちゃんリップスタンクホテルに行ったこと、ある?」  


「はい、よく利用させていただいてます。ね、尾崎さん」


隣の尾崎さんも微笑んで同意した。そこは学園のみなさんの御用達の場所だったから。


「そこで、もしかして溺れた子供を助けたこととかって……」


「み、見てらしたんですか!」


「うそ! 君なの?」


あんな粗相を見られていたなんて。
しかもそのせいであの日の碧葉家との大事な約束をキャンセルしてしまったんだから。
どうか他言しないで欲しいけど、もう遅いのかな。



「璃央おまえ、ちゃんと繋がることができてたんだな! 陰キャ全開だったくせにすげー、男上げたな!」



かなり興奮気味にベッドの璃央君の襟元に掴みかかり、涙ぐんだ顔を胸元にこすりつけていた。