無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

「とても元気みたいです」


「よかった。絶対会いに行きましょうね」


「もちろん。私たちのことちゃんと覚えてくれてるといいけど」


「きっと大丈夫ですよ、私たちはもうお友達です」


お友達。
なんて素敵な響きなんだろう。


幼少の頃から遊ぶ相手も全部周りの大人たちに決められて、まるで籠の中の小鳥みたいだった私に友達ができるなんて!


羽を取り戻したような気持ちになって、尾崎さんとの電話を切ってからはしばらく宙に浮いている気分だった。


快気祝いには何を持っていこうか、連絡先を交換するときはどう切り出せばいいのか。


学校が違うけど会ったりする時間が作れるかな、なんてことばかり考えて、うきうきしたりそわそわしたり。
リオ君を抱きしめて思わず部屋のなかでくるくると踊ってしまったくらい。


「リオ君聞いてた? お二人が元気になられたって! 尾崎さんと会いに行くの。もっと仲良くなったらうちにも遊びに来て欲しいな、来てくれるかな? どうしよう緊張しちゃう……あっ、そんなのやっぱり気が早いか」


デレデレ笑いながらリオ君をぎゅーっと抱きしめた。


男の子の璃央君に会って以来この子は一言も話をしないし、でんぐり返しやバク宙はおろか、ぴくりとも動かなくなった。


それはたぶん、ここにいた彼の魂が肉体へと戻っていったからなんだと思う。
美姫さんと沙也可さんが目覚めたんだもの、次はきっと彼の番。
そしたら私たちはきっと再会できるよね。


あの時の、お礼がいいたい。
ぬいぐるみのふりをして、弱気な私を明るく励ましてくれたことを。