無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

それから数日後の放課後、病室を訪れると璃央の枕元にはあのロボットぬいぐるみがちょこんと座っていた。
紺野と尾崎が見舞いに来たらしかった。  


「それがこのぬいぐるみ、私といづみさんが選んだものだったからびっくりしちゃった。
こんなふうにまたご縁があるなんて不思議。大事なものだからまた取りに来るって。いづみさんもきっとすごく喜んでるわね」


あなたたちが来てくれてから璃央の顔色が少しよくなった気がするとはしゃいでいる母親を見て俺も少しほっとした。


それにしてもこれがそんなに大事なものだったなんてな。
古いぬいぐるみに最新科学を搭載した叔父様の大胆さにも脱帽だ。


祖母の形見のようなものを璃央のために差し出したことの意味は……考えないことにした。


とにかく母親が生気を取り戻したように見えたのは、紺野たち女子の労いのお陰だ。


俺はというと悪夢でも見て飛び起きたらいいのにと願っているだけ。
でもこの日は仕方なく璃央に真実を伝えることにした。


「起きろ、紺野が会いたがってる。泣かすことはもう許さないから」