学校を早退して病院へ向かう前、屋上で紺野に偶然会った。
あの真面目な紺野が《出入り禁止の屋上》に、いたんだ。
それが璃央の影響だと思うと嫉妬しすぎてどうにかなりそうだった。
だけど、ついこの前俺に喧嘩を売ってきた奴が今は病院にいるだなんて彼女がいちばん信じられないだろうし、ショックに決まってる。
俺だって理解が追い付かないし、どんな理由だろうと紺野を悲しませていることが許せない。
彼女を大事にしたい気持ちは、溢れすぎると理性を失わせるってあの時初めて知った。
だってひとつやふたつのキスで終われなかった。
ほんとうは俺のものだって印をつけたかったくらいなんだから。
後ろ髪を引かれる思いで彼女を残し病院に着くと、父とまっすぐにあいつがいる病室に向かった。
母親が気丈に振る舞い迎えてくれたけど、疲弊しているのはどうやったって隠せるわけがない。
久しぶりの再会だっただろうけど、息子の父親の顔を見たら堪えた不安が溢れだしたようだった。



