無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

母はもちろん兄の存在は知っていたものの、うちにはなんの影響も及ぼさないとわかり気にしたことがなかったという。


さすが正妻だけに寛容で肝が据わっている。
婚約者の問題についても、父に従う姿勢を崩さなかった。
だからその翌朝、出掛け間際の玄関先で父の2分を頂戴することにした。


「父上、お話があります。兄と私とどちらが跡継ぎに相応しいか判断してください。会食の時までに意識が戻らないようなら兄を血縁者から外していただきたいのです」


少し緊張してそう言ったのに、父は少し目を細めただけ。


「実は璃央はいつ急変してもおかしくない状態だそうだから、近々おまえを病院に連れていこうと思っていたんだ。璃央の葬儀に出ることはないだろうが血を分けた兄弟には違いない、顔だけは見ておきなさい」


それで俺たちはその日の昼には病院へ向かうことになったんだ。