無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中






「ごめん、好きな人ができたから別れてほしい!」


ダメもとで頭を下げた。
4人の彼女の前で。


ギャル2人は少し駄々をこねたけど、殴ったら気が済んだみたいでわりと綺麗にさよならすることができた。


でも美姫(みき)沙也可(さやか)はそうはいかなくて……長期戦になりそうな気がしていたんだけど、決着の日は意外と早く来た。


数日後。
俺は幼なじみのサト(名前は日野(ひの)(さとる))と学食に行くつもりで呑気に廊下を歩いていた。


「だいたい彼女が4人いるとか普通に腹立つんだけど」


「でも誰も特別扱いしないって約束は守ってたし、そもそも彼女だなんて思ったことなかったんだって」


「ムカつくのはそういうとこだよ! おまえいつか誰かに刺されるぞ?」
 

「だよなー」


サトに吠えられたら愛花(あいか)美子(みこ)に殴られた左頬がちょっと疼くような気がした。


「でも璃央が頭下げるってのは意外だった、いつも嫌われ待ちか自然消滅すんの待ってたくせに。それも恋の力ってやつ?」


「…………」


「おまえ可愛いとこあったんだな」


顔が熱い。事実すぎて。
それで照れていることがバレた。
そう、俺は今恋をしている。それも初恋。