無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

まさかの同士の出現に戸惑いながらも、藁にもすがる思いでリオ君を見せた。
自己紹介を簡単にすませ、さっそく本題に入る。


「この子は幼少期から大切にしているぬいぐるみのリオ君。でも尾崎さん、おふたりとは違ってうちの子は逆なんです、もうしゃべってくれません」  


それが悲しくて……。
そう声にならないまま、がっくり下を向いてしまった。


「それまではおしゃべりできてたんですね」 
 

「というか、話してくれるようになったのはつい最近のことなんです。突拍子もないことばかりするからロボットだって嘘をつくしかなくて。でも普通のぬいぐるみに戻ってしまいました」


「それは不安でしたね、お辛いでしょう?」


本音を言ってだらしなく落ち込んでしまったのに、尾崎さんはそっと肩に触れてくれた。


誰にも言えずにいた気持ちを吐露できる人がいることが、こんなにも救われることだとは知らなかった。


「羽奈ちゃんのリオ君て奔放なタイプの男の子?」


「どうしてご存知なんですか?」


「やっぱそうなんだ。じゃああれは璃央に間違いないな」


ハムちゃんたちはそう言って黙り込み短い腕を組んだ。
ふたりの言っていることがよくわからなくて尾崎さんに助けを求めると、彼女はそれを察して丁寧に補足してくれた。   


「実はこの子たちは近くの私立高校の生徒さんなんです。その方たちの魂が、私の作った人形に仮住まいしているって考えてもらえたらわかりやすいかと」


そんな現実味のない言葉も今はすんなり受け入れられてしまう。前のめりになって、思わず続きを催促してしまった。