無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

さぁ、目を閉じて腕を広げて抱き止める準備は万端。


「ど、どうぞ!」


勇気を出してるのに、でも一向にやってくるそぶりがない。


ちらっと目を開けてリオ君を見たら、真っ赤な顔を隠そうと両手が塞がっちゃってた。


「煽るとか生意気」


「恥ずかしいの?」


「……うるさい」


こんなの、嫌でも意識しちゃう。
でも、抱きしめるなら私の方がプロ。


リオ君を抱きしめ続けて早くも10年くらいは経過するんだから、こっちはリオ君専属の抱きしめ師みたいなもの。一肌脱がなくちゃ。


「さっきは意地悪してごめんね。わからないなら教えてあげるから私に全部任せて?」


座っている彼をふわりと包み込んで、いつものように顔のそばに頬を埋めた。


「抱きしめるってこんなふうにするんだよ、ほら、真似して」


柔らかな髪が触れてちょっとくすぐったい。