無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

「背が高いの苦手だろ?」


そう言ってふわっと微笑むと、浴槽の縁に腰かけてくれた。目線が下がって、私が見下ろす形になる。


「今なら俺のこと脱がしてもいいよ?」


「なっ、そんなの……むっ、無理!」


「へぇ、意識してるんだ? 一緒にお風呂に入るんじゃなかったっけ?」


「違っ!……意地悪しないで……」


「かわいい表情、やっと間近で見れた」


恥ずかしくて何て言っていいのかわからないよ。
これがほんとうのリオ君?
私をいつも振り回してばっかりの、いたずらっ子の?


私だけがほんとうの姿を知っているんだって思ったら、ドキドキが止まらなくなった。


「ほんとにリオ君なんだよね?」 


「うん。名前ちゃんと覚えてよ。漢字がちょっと説明しづらいんだけど」


「へぇ、漢字なんだ。どんな字なの? 教えてほしい」


手のひらを差し出すと、困ったように笑ってそこに「璃」と「央」の字をゆっくり書いてくれた。