「3、2、1……」
少し不安になって、うつむいたままでちょっとずつ目を開けると、なぜか目の前にはだけたシャツの胸元があった。
私の手をしっかり掴んでいるのは、男の子の大きな手。
思わず悲鳴をあげそうになった口は、その手で塞がれてしまった。
「何が起こったの……?」
この子、誰だろう。
碧葉君と同じくらい背が高い。
状況を飲み込めないまま恐々目線を上げると、そこには息を飲むほどきれいな顔をした男の子がいた。
黒髪で涼しい目元の碧葉君とは対照的で、明るい髪にきらきらした瞳をしてる。
ピアスもたくさん付けているし、洗練された都会のおしゃれな男の子って感じだ。
「羽奈……俺が怖い?」
ふるふると首を振ると、口を塞いでいた手がゆっくり離れていった。
「怖いならすぐぬいぐるみに戻るから」
「ううん、そのままでだっ、大丈夫。あれだよね、擬人化っていうやつ!」
リオ君を人間の男の子にしたら、彼なんだ。
初めてのことで少しパニックになっているけれど、怖いどころか目が離せない。
少し憂いを帯びた瞳が、私を捉えて離してくれない。



