無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

それなのにその翌日には、リオ君はもう学園みんなの人気者になってしまっていた。


というのは昨日あのあと、ねじ込んだはずのポケットから脱走したリオ君は、ボレロ様をまるで意のままに操るようにその背中に乗って走りだし、教壇の前で堂々とみんなに自己紹介をしたのだった。


後から駆けつけてその光景を見て、卒倒しなかった自分を褒めてあげたいと思う。


だって碧葉君にしたのと同じ、嘘だらけの言い訳をしないとみんなが悲鳴をあげてしまうと思ったから必死だった。


ボレロ様に乗って現れたリオ君は、みなさんの目にはアニメ映画のキャラクターに見えたみたい。
明るくてノリのいいリオ君にクラス中が虜になってしまっていた。
その騒ぎに怒っていた先生までたぶらかしてしまったくらい。


言うことをきかないリオ君を追いかけ回す私を見て、紺野さんのイメージが変わったとなぜかもてはやされてしまうし、もう何がなんだか訳がわからない。


「羽奈ってぱっと見、高嶺の花っぽいけど実は努力家の頑張りやさんでしかも優しいじゃん。あと可愛い、間違いない」


リオ君がそんなことを恥ずかしげもなく言うと、みんな口々にわかる、って笑顔で応えてくれた。
嫌われて避けられていると思っていたのに、それってほんと?