無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

「碧葉、おまえ自分が何しようとしたかわかってんのか?」


「ほら、これこそが誤作動してる証拠です!」


「最近のAIってすごいんだな……しかも俺、敵視されてるんだ。名前までもう覚えられてる」


「すぐにプログラムを修正します! 今後いっさい持ち込みません!」


「いや、学習させてるなら教材と同じ扱いだから持ち込んで大丈夫だよ。俺が紺野を好きだってことも覚えてもらえて嬉しいよ」



碧葉君はもう落ち着きを取り戻していて、さっき知ったばかりの柔らかな微笑みで私たちの失態を許してくれた。


「……羽奈には指1本触れさせないから」


「へぇ、可愛いライバルだね」


子供をあしらうみたいな余裕がある碧葉君に、リオ君も負けないくらいの威圧量で彼を睨み付けている。


相手になるわけがないのに、なぜか男の子ふたりが喧嘩しているように見えてしまった。


足元でボレロ様がにゃあと鳴いて、チャイムが鳴ったのをきっかけに、リオ君をポケットにねじ込んだ。


「碧葉君、お気持ち嬉しかったです。お返事はまた……」


もう一度頭を下げると逃げ出すように教室へと走った。