無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

「ほら、ボレロが触ってほしいって。首の辺りを撫でられるのが好きみたい」


「き、緊張します」


「大丈夫、嫌がってないよ」


「……そうでしょうか」


じっとして、そこにいてくれているボレロ様に勇気を出して手を伸ばした。
柔らかな毛並み。
自然と指が吸い寄せられた。


「どう? 初めての感触は」


「あったかくて、ふわふわしてます。あっ、この辺はごわごわしてる!」


特に抵抗されなかったから、図々しくなでてみた。ぬいぐるみとはまた違う、生きているものの手触り。


夢中になっていると、ボレロ様はぐるぐると喉を鳴らしてくれた。


「ほら、もう仲良くなれた」


碧葉君って、こんなに優しい目をするんだ。


「これが紺野の作品? 提出前にもう一度チェックしたいって言ってたよね」


彼はハムちゃんのお顔を丁寧にハンカチで拭いてくれている。


「いえそれは3組の尾崎さんのなんです」


「……他人(ひと)のなの?」


「はい」


碧葉君が固まってしまった。
さっきの男の子たちと同じように、私と目が合うとやっぱりみんなこうなる。