無自覚系お姫様は溺れるほどに愛され中

「じゃあそろそろ俺にも慣れてくれる? まずは目と目を合わせる、とか」


「そ、そうですね。頑張ります!」


結婚生活を円満に始められるよう、今のうちにってことだよね。
確かに私がこんなに意識してるんじゃ、うまくいかないかも。


「まずは2秒くらい?」


「はい!」


緊張する、ドキドキする。
恥ずかしい。
なんて澄んだ瞳なんだろう。


「じゃ、次は5秒」


「はい……っと、あの」


「どうしたの、もう限界? ただ見つめあうだけなのに」

 
「だって……」


このまま綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。


「俺はこれから紺野の全部を知りたいって思ってるのに大丈夫?」


「っ、何言って……」


優しくて甘い眼差し。
いつもの冷たい碧葉君と全然違うから戸惑ってしまう。


「こ、こんなのやめましょう。慣れるだなんて、碧葉君に対して失礼ですし」


「そう? 俺は真っ赤になってる顔が可愛いくて逆に目をそらせなかったけど」


「か……可愛い?」


「紺野がすごく可愛いってことは俺が教えてあげるから、今は知らなくてもいいよ」


喉を鳴らしてその体をすり寄せてくるボレロ様に応えるように撫でながら、碧葉君はいたずらな目で微笑んだ。